夢見る季節

ずいぶん前に、当時住んでいた前橋市西片貝のアパートに訪ねてきた白人男性。

こちらがドアを開けるなり、

ちょっと良いですか?あなたは幸せですか?

 

実家の事情に嫌気が差し、飛び出して拾ってもらった先の社長が管理する部屋に

住まわしてもらってた、まだ20代前半頃の話。

気持ちだけは一丁前で、でも世間知らずで、いろんなことに揉まれながら、

一人で生きて行く事の厳しさ真っ只中にいる頃だった。

 

 

ちょっと良いですか?あなたは幸せですか?

 結局は宗教の勧誘だったけど、

どうでも良い事聞いてんじゃねえよ、と思っていた当時、

自分が幸せかどうかなんて人と比べる物差しも持っていなかったし、

それよりもとりあえず毎日突っ走って、

夕べ結構飲んだけど二日酔いしなかったな、とか

色々と揉まれつつもそんな事しか思わない日々を送っていたのは確かな話。

 

でも何となくその時にその言葉が刺さってたんだろうな、

だから今でも思い出すあの瞬間。

あれから20年経って、大人になったと言うか、状況はだいぶ変わったけど、

同じ彼に同じ質問されたら同じく思う、

どうでも良い事聞いてんじゃねえよ。

変わらずやってるから心配すんな。

 

 

 

 

って言う情景は自伝には入れておきたいシーン。